告白
「はあ? ここで告白なん?」彼女が目を丸くした。無理もない中学からの幼馴染だからだ。
「急ですまん! 東京の大学受けるんだ。そしたら、告白のタイミングを逃しそうで・・・」
「そうかあ、受かったら東京かあ。地元の大学は受けんの?」彼女の目が左右にくるくる動く。
「もちろん受けるよ。地元はA判定だから、先ず受かる。東京の大学はB判定だけどギリかな」
「ふーん。だからイヤリングくれたのか・・・ふむふむ・・・」
彼女は、右腕を回しながらクルクルとあたりを歩く。何かを考える時の彼女の癖だ。
「就職はどうすんの? 東京? 地元?」彼女が問う。
「えっ? まあ、一応地元の企業か公務員考えてる」俺は即答する。
「じゃあ、決まりだね! お前、東京の大学の受験辞めろ! そしたら、お前の女になってやる!」
「はあああ!」
「はああじゃねえ! お前なんか東京に行ったらまず負け組だ。勉学もできず東京砂漠で野垂れ死ぬのだ!」
「うっ・・・・」彼女の言うことは一理ある。俺は迷っているのだ。
「東京に行くなら告白は無しだ。私は遠距離恋愛なんてもんは信じない。そんなものは幻想だ!」
「・・・・・・」
「東京か私か、どっちかを選べ! 東京を選ぶなら、私は矢口の女になる!」
「えっ、矢口かよ・・・」矢口とは、地元の名士のイケメン息子だ。ゆくゆくは父親の地盤を継いで市議会議員になる奴だ。
俺はぐっと歯を噛み締める。矢口は何度も告白しているが、そのたびに彼女が断っていたのだ。
「分かった。俺はお前を取る」俺は即答した。
「まあ、すぐとは言わん・・・んっ? もういいのか? 別に即答せんでも・・・」今度は彼女が動揺している。
「お前は俺の女だ。矢口には絶対やらん。別に大学なんて地元で十分だしな」
覚悟を決めて顔を上げると彼女が、ニヤリと笑っている。あれれれ?
「そうか! よし、決まった! お前は私のモノだ! さて、私の家に行こう!」
「えっ?、えっ?」なんか、セリフが逆になっている気がする。
「矢口を追い払うために既成事実を作るぞ! 」
「おいおい! 既成事実って・・・まさか・・・アレなの?」
「アホか! アレに決まっているだろ? お前とやってしまえばいいのさ!」
彼女が俺の腕をグイグイ引っ張る。とても女の力とは思えない。そういえば、こいつ運動部のエースだった・・・。
楽しげに俺を引きずる彼女は凄く嬉しそうだった。ヤラレタと思った。
「どうした?、私では不満か? ああ、胸が寂しい事か?」獲物を見るような凄い眼で睨まれた。
「い、いや・・・お願いします。で、でもゴムないぞ・・・」
「どうせ、あと2ヶ月で卒業だから必要ない。矢口を説得するには、実際に中出ししたと言わんとあいつは折れんし、納得しない。あいつは、私に4回も告白しているバカだからな。お前は告白が遅すぎるバカだ。」
彼女は、ドヤ顔でニヤリと笑った。なんつう、怖い女だと思った。
ああ、これは双方の親からグルでハメられたな。でも、まあいいかと思った。
呪文
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