出張!談ちゃん〜ローマ編〜
年齢 18歳
喋りベタな彼女だがある講談師の話芸に魅力を持ち弟子入り。
話芸を修行中であるが、何かインパクトを欲しいと思い、肩を出す話芸を開発。徐々にお客さんが増えている。最近はコスプレをして講談をする事もある。
舞台はアテネ、古代遺跡の広場にて。
白い石柱を背景に、異国から来た女――談みすず、トーガ風着物姿で登場。
見物人たちの視線が刺さる中、拍子木をそっと置く。
そして、ギリシャ語はまるで話せぬ彼女、満面の笑顔でこう挨拶。
談みすず「カリメーラ! わたくし、日本より参りました、講談師談みすずでございます!」
通訳さん、横で必死に訳す。
講談を始めた途端――
カン、カンと拍子木の音が響く。
周囲のギリシャ人、**びくっ!**
観客「な、なんだこの木の音は!?」
1人が小声で言う。
観客「これは・・新しいタイプのブズーキ(※ギリシャの楽器)か?」
観客「いや、音階が戦闘的すぎる…」
さて演目は『古代ローマ、風呂場の攻防』。
内容はこうだ。
古代ローマの公衆浴場で、貴族と平民が順番を巡って小競り合い。
だが最後は、風呂の温度がぬるすぎて全員一致で怒り出すという――
〜風呂だけに“湯加減”が合わない話〜。
現地の人々、最初はポカンとするも、
通訳がオチを伝えた瞬間――
ギリシャ人の老婦人が大笑いしてこう言った。
老婦人「風呂と民主制は『ぬるくなったら揉める』ものよねぇ!」
拍手喝采。
みすず、額に汗を浮かべながら深々と一礼。
談みすず「言葉は違えど・・オチは通じる!!」
談みすず「もう一つお話を・・私がローマに来たのは・・」
ローマに来たのは講談ツアーの一環。
コロッセオ、トレビの泉、フォロ・ロマーノ・・
見るものすべて、歴史!歴史!あと、ピザ!
さて、午後になり、
「ナヴォーナ広場にある可愛いカフェに行こう」と、Googleマップを開く。ピンを刺す。自信満々!
さあ、“ローマの休日”ならぬ、“ローマのひとり歩き”の始まりだ!
だがローマ、**道がくねる。**
石畳の小道、路地、路地、また路地。
右を向けば“ナポリ通り”、
左を見れば“ウンベルト一世通り”、
後ろを向くと…さっきの場所じゃん!
なのにGoogleマップは言う。
Googleマップ「目的地は**北西230mです**」
いやそれ…**壁!!**
行けねぇよ、神殿があるわ!!
しまいにゃ地図がぐるぐる回ってこう言った。
Googleマップ「再ルート中…」
・・おい、『わたしも再ルート中だよ!!!』
観光客らしきおばちゃんに聞いてみたら、
おばちゃん「カフェ?それ、来た道の10分前に通り過ぎてたわよ」
・・もはやGoogleより人間が正しい。
“AI”じゃなくて“あいまい”だったわけだ。**
やっとの思いでカフェに着き、
汗をぬぐいながら言いました。
談みすず「ローマの道は、『すべてGoogleに通ず…とは限らない!!』」
通訳さん、横で必死に訳す
一瞬静まり返るが、拍手喝采!
観客「oh!みすず!ナイス!」
談みすず、ローマでの講談会は無事成功で終わった。
呪文
入力なし